2023年8月25日

絶縁体の音質、線材の複数使用について

絶縁体とは、導体が並走する他の導体に接触してショートしないために存在しています。
もちろんほこりや水など外的な要因から導体を保護するためでもあります。

理想的には、絶縁体はない方が良いです。つまり空気のような存在が求められるわけですが、テフロンという素材が地球上で最も物理的に接触した素材に対して悪影響の少ない素材であり、医療や宇宙開発などあらゆる分野でその特性の良さを発揮し活躍しています。

テフロンはケーブルの絶縁体としても優秀で、他のどんな素材よりも線材に対して悪影響が少なく、導通特性と音質の良さを発揮します。

NORDOSTもテフロンの絶縁体を採用していますが、外皮のテフロンと導体が触れないように糸のように細いテフロン線を導体に巻き付けています。外皮のテフロンと導体との接触さえもごく僅かにしたいという発想です。

それと似たような発想に、と言いますかオリジナルの発想ですが古くはWESTERN-ELECTRICの線材にも採用されていた綿糸絶縁体があります。テフロンがなかった時代にも、他の悪影響のある絶縁体に触れないように綿糸で保護するという発想がありました。

確かにWESTERN-ELECTRICの線材は今でも驚くほどの音楽表現力を魅せ、当店も初期にはWESTERN-ELECTRICの線材を利用してケーブルを製作し販売していましたが、ハイエンドシステムの中ではレンジの広さや解像度の高さにおいて銀線ケーブルを上回ることができませんでした。今はお客様に迷わせてしまうことがないよう、銀線ケーブルのみ販売しています。

話がそれましたが、そのように当店でもWESTERN-ELECTRICの思想に倣い、銀線に綿糸を巻きつけ、テフロンをその上から取り付けたケーブルを試作し試聴しましたが、糸が触れていると、その糸が触れた音が僅かに音に乗ります。それは少しふくよかでにじみ感が出るような質感。太さは出ますが、レンジが狭まり、決して高音質とは言い切れませんでした。

その実験の初めに、絶縁体のない状態を確認するため、非現実的ではありますが実験的に銀線の裸線のままの状態でショートしないように空中配線した音を聴いたところ、これが息を呑むほどの最高の音質でした。この音質が当店の音の基準、目標の音質となっています。

次に、綿糸を巻いただけの銀線の音も聴きました。テフロンもなく、天然素材だけなので理想的で良いかと思いましたが、これは意外にも良くありませんでした。やはりふわっとして散漫になるような質感で、綿ロープなど綿を使用した全ての絶縁方法を実験しましたが、当店の実験の結果、綿は最高の絶縁体にはなりませんでした。

最後に、銀線に何も触れさせず、テフロンだけを大きめに絶縁体として使用しましたが、これが最も空中配線に近い音質でした。しかも導体をよく見ると、ほとんど銀線とテフロンは触れていません。触れている部分よりも遥かに多くの面積で空中に浮いています。結果として、当店の全てのケーブルの絶縁体は導体よりも少し大きいテフロンのみ、という構造を採用しています。

さらに導体の複数使用についてです。当店でも2本、4本、8本と複数本の実験も行いましたが、本数が増えるほど音に厚みが出て迫力は出ますが、本来あるはずの音の鮮度感や空気感がどんどん損なわれていき、結局抜けの良さや色付けのなさなどあらゆる点で単線1本には及びませんでした。

各種ケーブルの銀線の線径に対して、空気絶縁を実現するための絶妙な太さのテフロンチューブと、純銀の単線1本のブレない魅力、ハイ/ローインピーダンス伝送の特性に最適な線径の太さ、他社が真似できない企業秘密の製作工程など、長年の研究により当店のケーブルは感動的な音質の良さを発揮する事に成功しています。

また、外観を良くしても音質を大きく損ねるメッシュチューブやブランドロゴプレートなどの装飾品は一切使用していません。一度装飾品の音質の悪さを聴いてしまうと、一切採用する気にはなれませんでした。当店は究極の音質を求める時、音質を犠牲にした外観の良さは一切必要ないと考えています。

当店のケーブルは、他社製の最高級・最高峰のケーブルにも何ら引けを取りません。音質の良さと圧倒的なコストパフォーマンスの高さをご体感頂きたいと思います。

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